| 佐藤正栄堂 「時計/宝石物語」シリーズ | Number 40 |
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指輪のお話 〜 マリッジリング 〜 「マリッジリング」の由来は色々な説がありますが、ヨーロッパでは 古代ローマの頃から,婚約した男女の間で指輪を交わす取り交わす習慣があり、 男性から女性にゴールドの指輪を,女性から男性にカメオの指輪を贈っていました。 その風習が広く普及し、現在のエンゲージリング、マリッジリングに また古代ギリシアでは左の薬指は心臓と直接に 「血が通っている」と信じられていたことから、結婚の時に新郎が花嫁の 「左薬指」に指輪をはめる習慣が<生まれたといわれています。 紀元前1世紀前後のローマ時代の婚約指輪は、重い「鉄の輪」でした。 「輪」はエンドレス、「鉄」は強い力を象徴するものだったのです。 当時の婚約は今のような"愛を誓う"などといったロマンチックなものではなく、 夫婦間に生じる権利や義務などの約束事を確認する契約ごとだったのでした。 婚約が花嫁を人質にしたり、一族安泰のための政略に使われたなごりで、 「鉄の指輪」は、「鉄製の輪」、「足かせ」の意味だったとか。 11〜13世紀、キリスト教が広まるとともに、「神への契約のしるし」としての 指輪交換の儀式が発生しました。 その教えは、"結婚により神と契約を結ぶことによって、男女は生涯結ばれるのである" というもので、その儀式を見守るのが協会の役目となりました。 マリッジリングのデザインは、当時もシンプルな輪っかが主流 。 輪は「永遠のシンボル」であり、「超自然的な力が眠っている」と言われてきました。 2人の愛を守る神秘的な力があると信じられてきたのでしょう。 指輪の素材も、時が経つにつれ貴族を中心に「金」の結婚指輪が普及しましたが、 つけるのは外出の時だけ、家に帰ると鉄の指輪に変えていたそうです。 その後19世紀頃まで、「金」は主流の貴金属でした。 19世紀中ごろ、それまで主流だった「金」から「銀」へとかわっていきます。 これは1854年にカトリック協会が「聖母原罪懐胎の教義主義」をだしたことにより 結婚の神聖性と処女性が強調されることにより、女性が純白の衣装で結婚式に 臨む習慣が急速に広まりました。結婚=純白という考えから、 指輪も金より銀が好まれるようになったのです。 そして19世紀末「天国の貴金属」といわれるプラチナがヨーロッパ、アメリカで 装飾品として使われるようになると、その曇りのない輝きと透き通る白さから 「純粋」という意味が当てはまることから、20世紀になると結婚・婚約指輪として 多く使われるようになりました。 また、婚約指輪に使われるダイヤモンドは、10億年の時間をかけて地球が装飾品 装飾品古くはギリシャ語で「アダマス−征服されざる石」と呼ばれており、 何者にも傷つけられない、万物最高の硬さを物語っています。 15世紀半ばにオランダの宝石職人がダイヤモンドの粉でダイヤを磨くことを思いつき、 17世紀末にブリリアン・カットが発明されています。 天からの贈り物と人間の知恵の結晶が、 まばゆいばかりの煌きの中に秘められているのです。 |